あなたはいくつ分かる?意外と知らない校正記号
校正記号とは、校正紙に修正指示を入れるための記号で、JISで規定され全国共通で使われています。メジャーな校正記号を覚えておけば、社内報を制作する際に制作会社とスムーズなコミュニケーションを図れるほか、間違いや見落としを少なくすることもできます。
校正の2大ポイント
校正は、「ゲラ刷り」と言われる作業の中間段階で印刷したもの(あるいはデータ)を原稿と比べながら、誤植や不備を正す作業です。
校正記号を紹介する前に、間違いや見落としを防ぐために重要な校正の2大ポイントをお伝えします。
①赤ペン(もしくは文字色と違う色)で目立つように書く!
②誰が見ても読めるようはっきりとした字で書く!
校正指示が自分にしか解読できなかったり、見落としやすい場所に小さく書いてあったりしては意味がありません。
校正をする際には、この2点を心がけて赤入れしてみてくださいね。
文字・記号の変更
それでは、代表的な校正記号をいくつかご紹介します。まずは、文字や記号を変更したい場合の校正記号です。
変更したい文字に斜線を引き、2文字以上の場合は横線でつなげます。そして、空いているスペースへ引き出し線を引っぱり、変更後の文字を明記してください。
なお、JISの規定では斜線を引くのが本則ですが、変更したい文字を丸で囲むパターンも見受けられます。きちんと相手に伝わればどちらの方法でも構いません。 図・写真を変更する場合には、引き出し線に変更後の図・写真の引用先などを明記します。
文字・記号の削除
文字や記号、画像等を削除したい場合は校正記号の「トル」を使用します。
削除したい文字に斜線を引き、2文字以上の場合は横線でつなげます(または、削除したい文字を丸で囲みます)。そして、空いているスペースへ引き出し線を引っぱり、「トル(トルツメ)」と記入してください。
また、文字は削除したいけれど削除後のスペースをそのまま空けておきたい場合は「トルアキ(トルママ)」と記入します。
文字・記号の挿入
文字等の漏れや抜けがあり、追加で挿入したい場合の校正記号はこちら。
文章の構成が横組みのときは「∧」、縦組みのときは「>」で挿入箇所を指定し、引き出し線ともう一本の線で挿入する文字を囲みます。
文字・記号の入れ替え
隣り合った文字列を入れ替える場合は、「逆S字」または「S字」で入れ替える文字を挟みます。
離れた位置の文字列を入れ替える場合は、対象の文字をそれぞれ丸で囲み矢印で入れ替えの指示をします。
修正指示の取り消し
「書いてしまった修正指示を取り消したい」ときに使う校正記号は「イキ」です。消したい修正内容の赤字に線を引き、近くに「イキ」と記入しましょう。
このイキは「元の状態を活かす」という意味になります。
文字の位置の上げ・下げ
行頭を上下・前後の行と揃えたい、ここは段落を変えて一文字分下げたいなど、「指定の位置まで文字を移す」ときに便利な校正記号もあります。
字上げはTを横にしたような記号で、移動させたい位置を示します。
字下げでは、コの字型を反転させた形で対象文字を囲み、コの字の両端から線を引いて移動させたい位置を指定します。
改行
改行の校正記号は、文字送りを変える改行と、段落自体を変える段落改行の2種類あります。
文字送りを変える改行は、鍵かっこの「のような記号を使います。
段落改行は、行末と行頭になる部分の間に「逆Z字」のような記号を記入します。
改行の取り消し
改行指示とは逆に「改行されている状態から、改行を取り消して行を続けたい」場合は、前の段落の行末と次の行頭を線でつなげます。
このときに直線でつなげようとすると文字にかかってしまうため、行間の空白スペースの間を通して、曲線で書きましょう。
字間の調整
校正を重ねているうちに、文字送りの調整やデザイン的な問題で、段落中の字間が広がってしまうことがよくあります。字間が広がっている部分を元の字間に戻したいときは、字間を戻したい箇所にフタをかぶせるように線を引き、「ベタ」と記入しましょう。
通常の字間になっている文章のことを「ベタ組(べたぐみ)」と言い、校正記号の「ベタ」は「ベタ組に戻す」の略になっています。
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