社内報担当者さんのためのレイアウト講座
いざ、初校や再校とデザインされたときにまず確認するのが文字まわりのことですが、同時にレイアウトについてもチェックするのが社内報担当者さんの役目。もちろん、デザインそのものについては、プロに任せることになりますが、社内報では2つの局面で、社内報編集者さんもレイアウトに関わることがあります。1つはレイアウトイメージを伝えるレイアウト。手書きやWordなどでカンタンに作成して内容を伝えるためのものです。以前は、鉛筆ラフという言い方もありましたが、最近は「簡単なレイアウト」という言い方でも通じることが多いです。その場合は本格的なレイアウトではなく、事前の指示書としての役割になります。
もうひとつ、社内報担当者さんが関わることになるのは、「レイアウトチェック」。デザインされたレイアウトをチェックすることです。レイアウトチェックの役割は2つ。ひとつは記事の内容が伝わるようにレイアウトされてるか。もう一つは、デザイナーとは違う視点になること。抽象的なことが多いデザイナーとのやりとりですが、ポイントを抑えておけば、読ませる、伝える社内報づくりに役立つようになります。また、デザイナーとやりとりすることで、他の仕事に役立つ企画書などの知識も得られることも多いので、ぜひ読んでみてください!
目次
デザインとレイアウトの違いを把握しよう
デザインとは、紙媒体の全体的な雰囲気やテーマを決めることです。「目立つものにしたい」ということであれば、目立つための色や配置、文字のメリハリといった組み合わせがデザイナーがさまざまな視点から考え提示します。
社内報のそれぞれのページで、「高級感」「かわいく」「おしゃれ」「親しみやすく」などの雰囲気やテーマは、原稿をみてデザイナーが考えることもあります。しかし、ここぞといったページに関しては、社内報担当者からの要望をだすことが必要になることがあります。その場合は、雑誌やウェブサイトから、イメージに近いものを提示するのもわかりやすいですし、それのどんなところがいいかどうかも話すことで、イメージのコンセンサスをとることもできます。
レイアウトとは、紙媒体の各ページにおける情報の配置やバランスを決めることです。もちろん、デザイナーに紙面構成を依頼することも可能ですが、社内報では、会社の情報を正しく伝える必要がある場合も多く、そのためには、会社を知る社内報担当者の発信が必要なことも多いです。
記事に含まれる「見出し」や「本文」、「画像」や「図表」についても、会社がいいたいことが大きく表現されているか、本文と画像が関連しているか、デザイナーが正確に知ることはできません。そのために、デザインよりもまず、レイアウトの指示を伝えることが必要になることが多いです。
企画書でも役立つ、レイアウトのポイント
デザインについては、イメージをデザイナーに依頼することが多いですが、レイアウトは伝えたい情報を効果的に伝える意味で、社内報担当者と制作との話し合いになることもあります。
レイアウトについては、企画書作成など仕事での書類づくりにも役立つポイントが大きく3つあります。
1)似たものは近づけ、違うものは離す
2)同じ項目は同じ表現にする
3)大事なことを目立たせる
「似てるかどうか把握する」「同じかどうか把握する」「大事かどうか把握する」ことからレイアウトははじまります。言葉にすれば簡単ですが、実際は、似てるけど違う部分があったり、ほぼ同じだけど、ちょっとだけ違うなどもあります。その場合は、グループの中で、色だけ変えたり、フォントを変えたりして表現することも可能です。
デザインでは、センスの部分もありますが、レイアウトは、パズルのように組み合わせることで、訴求力を強めたり、わかりやすく伝えることで円滑なコミュニケーションにつながるスキルと考えてみてはいかがでしょうか。
「大事なことを目立たせる」ことは、長文ならまだしも、社内報のひとつのコーナーの場合は、1番目立たせたいところを1つだけ目立たせることを目安にしましょう。あれもこれも目立たせたいこともありますが、目立つものが多いと、結局は埋もれてしまいます。2番めに目立たせる、3,4と順番をつけてみるのも、伝わりやすいレイアウトに繋がります。
https://book.mynavi.jp/nddb/
『ノンデザイナーズ・デザインブック』という本では、4つの原則としてデザインのポイントを紹介しています。台割があると初期の段階で、ページ数の割に原稿が少ないから対策が必要、スペースが多いのに原稿が多いので、文字数を減らす必要、などのおおよその確認をすることができます。
原稿と一緒にレイアウト指示用の資料を簡単につくってみよう
社内報に必要なレイアウトを「見える」形でデザイナーなどの制作関係者に伝えることで、より短期間に的確な意思疎通が可能になることがあります。
・タイトルを大きく出す
一番いいたいことがタイトルにあります。十分なスペースをとっておきましょう。
・写真、イラストなどのメインビジュアルを1点選ぶ
記事のテーマや、重要な人物がわかる写真を1点用意し、目立つ配置をしましょう
・情報を正確に落とし込む
複数枚で1つのセット写真であることや、本文との関連性のある図表などは、
わかりやすいようにしましょう。
目的は必要なことを的確に伝えることが目的です。事前の指示書なので完成イメージを気にせず、レイアウト指示用資料をつくってみましょう。もちろん、デザインイメージについても、「高級感」「かわいく」「おしゃれ」「親しみやすく」などのイメージに関する説明や見本になる雑誌やウェブサイトを提示しておくと、進行がスムーズに進みやすいです。
社内報担当者としてのレイアウトチェックのポイント
レイアウトチェックは主に、原稿を最初に落とし込んで出来上がってくるデザインである「初校」を見て行わえます。その場合のポイントは、以下の3つです。
1)紙面のテーマが目立つようになっているか。
難しいことのようですが、ポイントは簡単です。文字の大きさ・重要な写真が大きいかを見てください。読者が最初に読むのはタイトルなので、タイトルやメインビジュアルとも呼ばれる写真などが適切に大きくレイアウトされているか見てください。タイトルを基点に、リード、小見出しなど次に読み進むので、順番に読みやすい文字の大きさかを確認してください。
2)指示の反映の確認
指示については、デザイナーや制作担当は反映させていくのが基本で、校正段階で漏れや間違いも含めて訂正していきます。それに加え、文字数や写真の解像度など、イレギュラーな事柄が発生することがあります。打合せのときには、優先順位の指示でスムーズにまとまることが多いです。
3)重要な情報を埋もれていないか。
最後に、会社の情報で伝えるべき内容などが「小さく」なっていないかを確認してください。テーマほど目立つ必要はなくても、埋もれないように「文字を太く」「文字をに色をつける」「囲む」「順番を変える」「写真を差し替える」「トリミングを見直す」など、さまざまな方法があるので、気軽にデザイナーや制作担当者に相談してみたください。小さな訂正でも、全体が変わることがあるので、なるべくはやめに確認してみてください。
社内報レイアウトでスキルアップ
レイアウトやデザインについては、初めて社内報担当者になったときは慣れないかもしれません。まずは、センスや専門性よりも先に、社内報が会社を活性化させたり、コミュニケーションツールになることを目標にすすめてみることが大切です。通常の業務では話をすることのないデザイナーが紙面を仕上がる仮定を直接みることは、企画書作成などの通常業務にも活かせることがあります。
より自分のイメージを伝えるための資料をつくってみましょう。正規の企画書や完成品である必要はなく、手書きでも構わないです。社内報制作では、資料と説明をどちらも用いて、どう伝えるかを考えて見る機会にもなります。制作スタッフは他業種の制作の経験もあるので、思わぬ情報が得られることがあります。
デザイナーに資料を渡すときは、「プラスアルファを自由に1案」「内容は同じでもデザインイメージの違うものを1案」など予算や時間に応じて依頼ができるので、、新たな発想に触れる機会にもなります。
デザイン・レイアウトについては、難しい部分もありますが、取り組むことで、得られることもあります。楽しんでつくりながら会社のコミュニケーションツールになる社内報を目指しましょう。打ち合わせで全て確認できていても、台割は、文章だけでなく、見た目でも確認できることで制作チームの共通認識も確立しやすく、ページ割りやカラーページなど、再度確認するときにも便利です。また、原稿が締め切りより遅れる記事や、書き直しなどが起こった場合は、入稿予定を書き込むことなども、台割に書き込んでおけば進行も確認しやすいです。。